なんでスポーツ観戦としてのロードレースに興味が持てないのか考えてみた
The best sport / Lost Albatross
文庫『シークレット・レース』という本を読んだのですが、これがとてもおもしろかった。こんなに夢中で読んだノンフィクションは久しぶりです。今年読んだ本の中でぶっちぎりのナンバー1ですね。
内容は、タイラー・ハミルトンという元自転車選手が自転車ロードレース界の闇、「ドーピング」について語った暴露本です。
俺はスポーツ観戦としての自転車ロードレースに興味を持てなくて、チームや選手の名前をまったく知りません。この本の著者であるタイラー・ハミルトンのことも知りませんでしたし、本文中に出てくる選手の名前も当然知りませんでした。
さすがにランス・アームストロングくらいは知っていましたが、それでも、ガンを克服してツールドフランスを7連覇したけれどドーピングが発覚してその記録が抹消されてしまった、くらいの知識です。
けっしてスポーツが嫌いなわけではありません。実際にプレーするのも好きですし、同じくらい見るのも好きです。
もちろん自転車だって大好きです。週末に多摩川を走るのが楽しみですし、こんな自転車ブログを立ち上げるくらいです。毎夜、酒の肴にYoutubeの自転車動画ばかり見たりもしています。
でも、なぜか自転車ロードレースを観戦しようという気にはなれない。
なぜなんだろうか?
その理由を考えてみたのですが、それはおそらく「わかりにくい」に尽きるのかなと思いました。
スポーツ観戦の楽しみ方というのは「チームを応援する」「選手個人を応援する」「競技そのものを楽しむ」の3つに分けられると思います。
でも、自転車ロードレースの場合、リーグ制でないし、スポンサーが撤退したらチームも消滅してしまうので、どんなチームがあるのかわかりにくいです。当然、思い入れのあるチームもできづらい。
選手に関しては、ただでさえ参加人数の多い競技でごちゃごちゃしているうえに、みんなヘルメットにサングラスで顔がわかりづらく、選手の見分けがつかない。
競技としては、その特性上、サッカーや野球のようにわかりやすいスーパープレーがあるわけでもない。また、アタックやプロトンなどの戦略は理屈としてはなんとなくわかるんですが、実際に体験したわけではないのでピンときません。
そんなわけで、スポース観戦の3つの楽しみ方を「わかりづらさ」が阻害してしまっているのかなと。
もちろん、このわかりづらさは単純にメディアなどを通して俺がロードレースに触れる機会が少ないせいであって、もっと目にする機会が増えたら楽しめるようになるのかもしれません。
いずれにせよ、現時点では俺にとって自転車ロードレースは積極的に観戦しようとは思えないスポーツなのかなと思いました。
シークレット・レース―ツール・ド・フランスの知られざる内幕 (小学館文庫)
- 作者: タイラーハミルトン,ダニエルコイル,Tyler Hamilton,Daniel Coyle,児島修
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/05/08
- メディア: 文庫
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